Libero come un gatto

ゆるゆると生き長らえたい、イタリアの猫のように。

2012年04月

ベアさんのことを話そう

ディスカバリーチャンネル「Man VS Wild」(日本語タイトルは「サバイバルゲーム」)という番組をご存知でしょうか?

実は私はこの番組と出演しているベア・グリルスさんの大変なファンなのです。

今夏に(遂に!)日本語版DVDが発売されることを知り、嬉しさのあまりFacebookに書き込み、もしかしたら知っている人がいて反応あるかも?と期待していたのですが、見事に全員からガン無視を決められるという恥辱を味わったので、ここで熱量多めに語りたいと思います。

とりあえず上のリンクから番組公式サイトへに飛んでいただきたい。

このような番組紹介があります。
「イギリス軍特殊部隊の元隊員グリルスは、エベレストに登り、北極圏を冒険したタフな男。だがこの番組で彼が教えるのは、普通の旅行者が最も過酷な環境下に置かれたときのサバイバルテクニック。熱帯雨林に落下傘で降下し、砂漠や湖など荒涼とした地で生き残るための知恵だ。あなたなら無事に生還できるだろうか。」

ベアさんは毎回、過酷な自然環境の中にナイフと火打石と水筒だけを持たされて、放り出されます。水・食料・道具など生き残るための全てを自分の力で見つけ出し・作り出し、最終的に人に助けてもらえる所(村落、道路、鉄道など)まで生き残ることが目標です。

このベアさん、どんな人かというと元々は英国陸軍特殊部隊の軍人。つまりはサバイバルに関するスペシャリスト。公式サイトのプロフィール写真を見ましたか?
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こちらです!
プロフィール写真に、アラスカの雪山で見つけた死んだばかりのトナカイの腹に顔を突っ込んで肉を食いちぎった直後の顔を持ってくるのは世界広しと云えどベアさんぐらい。

番組の中では様々な状況で必要な知識やテクニックを伝授してくれます。砂漠での水の見つけ方、火の起こし方、食べられる植物などなど。これだけ書くと真っ当なサバイバルの知識ですが、ベアさんはこんなもんじゃない。
時には、椰子の木で筏を作るテクニック、竹でハンモックを作るテクニック、ヒグマの追跡を断ち切るテクニック、羊や蛇の皮を剥ぐテクニック、コウモリを洞窟内で捕まえるテクニック、飲んだら確実に腹を壊すような汚水をどうしても摂取しなきゃいけない時に直腸に突っ込んで摂取するテクニックなどを華麗に披露。

基本的にはこういう知識を実践の中でどんどん紹介する番組なのでこちらもどんどん吸収すればよいのです。
例えばこんな感じ。
「体を乾かすにもタオルがない。そういう時は雪です。奇妙でしょうが体についた水分を雪がいくらか吸収してくれます。」
「ミミズや昆虫は80%がたんぱく質。牛肉はわずか20%です。」
「雪洞の大きさは体の3倍にしろと言います。大きすぎると熱を奪われます。逆に小さいと雪洞が縮んだ時に生き埋めの危険があるんです。」


凍った湖に落ちた時の脱出方法など、わざと落ちてくれますからね。親切っていうか。本当に死ぬよ?と心配になることも。

この方アメリカの人気番組のホストだけあって非常にユーモアがあって面白い。吊り橋を渡っている時にロープが切れて宙ぶらりんになってもカメラに向かって状況を伝えてくれますし、ミミズを食べ後にもきっちり味をレポートしてくれます。

そしてサバイバルに最も必要なものは「何があっても生きて帰る。家族の元に帰る。」という気持ちだと繰り返し訴えます。

もう世界中の過酷な環境へ何十回も行っているベアさんの言葉には深いものがあります。
太平洋の無人島、南米のジャングル、北極圏の氷河、サハラ砂漠、アフリカのサバンナ、ロッキー山脈の雪山など。番組を見ているだけで無性に自然環境の中に飛び出したくなるのです。そして私もベアさんと同じく帰ってくると勝手に誓ってしまうのです。

無人島になにか一つ持って行くなら何にする?なんて話題はよく出ますが、私は「ナイフ」で確定です。あんなに便利なもんはないねと番組を見て思いました。

そんな気持ちが高まって遂にはこんな本を買うまでに。
米陸軍サバイバル全書 [新版]
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超面白いぞ。

この本の話はまた後日するとして、そんなベアさんの日本語版DVDが発売されたのです。そりゃあ興奮するよね。一部のベアさんファンの間では感涙モノの出来事なのです。
まだ魅力が伝わってない方のためにいくつかベアさんの写真を用意しました。
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このジャングルで寝そべって、蛇の串焼きが出来上がるのをじっくり待ってる感じ、最高よね。

次の写真はショッキングなのでリンクにしておきます。ベアさんがシマウマの肉をかぶりついているところです。
想像しました?その3倍ぐらいショッキングなのを覚悟した方はこちらへ

色々と突っ込みどころはありますし、ちょっと面白可笑しいところだけを今回チョイスしてしまったのでアレですが、非常に上質なエンターテインメントであることは間違い無いです。若干、ショッキング映像は多めですが。

インターネットを探せば、ディスカバリーチャンネルで放送された番組が見れますので気になる方は探してみては?私に聞いてもらっても構いません。

それでは夏に「Man VS Wild ベア・グリルス鑑賞会」を開きましょう。

東京駅復元について

復元工事を進めている東京駅駅舎の外観が公開されました。

多くのメディアでそのことを取り上げています。

東京の、日本の顔として、67年前の勇壮な姿を取り戻したと報道され、昔の東京駅を知っている人にインタビューなどもして懐かしいエピソードなどが流されています。

それはあくまでも都市のアイコンとしての評価であって、果たして文化財の復元としてはどうなのか?(東京駅は重要文化財です)我々一般人はどこでその正当な評価を知ることができるのか。いや、知りたいと思う人はいるのか。
そんなことをほつほつと考えていると、
改めて文化財の修理や復元にかけるエネルギーってなんなんだろうかと思ってしまう。

税金から10億以上出して5年かけてある住宅の文化財を解体・復元する。
一流の職人さんたちが持てる技術と知恵を結集して昔の職人さん達に習い、敬意を表し、それを超えんと成し遂げる仕事。

時間もお金も手間もものすごいエネルギーよね。どんな建設現場より濃度が高い気がする。
法隆寺が1300年建っているなら、それをこれから1300年守る義務がある。
いつまで持てばいいとか、何年耐用なんて発想がない。(もちろんメンテナンスは必要)

そんなエネルギーをかけていることが財源不足の矢面に立たされた時、どんな議論が展開されるのか。

蓮舫さんの「1位じゃなきゃダメなんですか?」ではないけれども、「全く同じじゃないとダメなんですか?」
って意見は当然出てくるんじゃないか。

科学技術の世界では1位を目指してもそれが達成出来なかったり、すぐに抜き返されたりするんだろう。スパコンの性能なんて次々と順位が入れ替わる。
それはみんなが1位を目指すからそんなことが起こる。2位でいいって思ったらそこで進歩は止まるんじゃないか。

文化財を残すのにどうしてそんなエネルギーが必要か。
それは文化財が唯一の本物であり、時間と共に崩壊していく運命にあるから。
一度でも本物を残すことを諦めてしまうと、そこで終わる。

一度失われた本物を二度と取り返すことができないから、その時の情勢や政治的判断、経済状況、個人の裁量で変えることの出来ない重荷を背負っている。科学技術の遅れは時間をかければ取り戻すことが出来たとしても。
京都に行って見るお寺や神社も、神戸に行って見る洋館も、パリに行って見るゴシック教会も、イタリアのローマ遺跡もそうやって守られてきた。

そこに敬意を評しつつ、未来の人々へそれを伝える仕事。
きちんと評価を公表してみんなで考えるべき問題だと思います。
プロフィール

ケニー

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